オリゴ糖のプレバイオテクス効果
プレバイオティクスとは、イギリスの微生物研究者Gibsonによって提唱された概念です。
そもそもプレバイオティックスに先立つ概念でプロバイオティクスというものがあります。プロバイオティクスとは、体によい影響をもたらす微生物のことで、プレバイオティクスとは、そうした微生物に先立つもの、支えるものとしての意味合いがあります。
具体的には
@消化管上部では分解・吸収されない
A腸内の善玉菌(プロバイオティクス)の栄養分となり、善玉菌の増殖を促進する。
B腸内細菌のバランスを整え改善する。
C人間の健康増進に役立つ。
上記の条件を満たす食品成分になります。これに該当するのものとして、オリゴ糖や食物繊維の一部が挙げられます。
腸内環境改善に際して、このプレバイオティクスの考え方は、ヨーロッパでは主流な考えです。一方、日本はまだまだ直接善玉菌を摂取するなどのプロバイオティクスの考えが主流です。たとえば「生きて乳酸菌を腸まで届ける」食品が人気ですよね。)
プレバイオティクスが優れているところは、その人がもともと持っている善玉菌を活性化させて腸内環境を改善に導くことです。人間の腸内には100種類以上、100兆個程度の腸内細菌が存在し、各腸内細菌はそれぞれテリトリーを形成し、それぞれが競合関係の中で調和しています。自然界と同じですね。
プロバイオティクスのように外部から善玉菌を新たに摂取しても、この腸内細菌の調和になじめないと長く生息することはできませんし、場合によってはもともと住んでいる善玉菌と争いを起こし、逆に腸内の善玉菌を減らしてしまうことになりかねないのです。
だから、新らたに善玉菌を摂取するのではなく、もともと住んでいる善玉菌を活性化させることで腸内環境を改善するプレバイオティクスが今注目を浴びているのです。